同性カップルも、異性の事実婚と同じように民法上の保護に値する――。不倫をめぐる賠償の是非が争われた裁判で、そんな司法判断が確定した。最高裁第二小法廷(草野耕一裁判長)が17日付の決定で、不倫した被告の上告を退けた。
日本では法律上、同性同士の結婚は認められていないが、独自に認証する自治体は増えている。同性カップルも法律婚に準じる関係だと位置づける判断が最高裁で確定したのは初めてとみられる。
原告の30代女性は2009年に相手女性と交際を始め、同性婚を認める米ニューヨーク州で14年に結婚。相手女性は出産を望み、SNSで知り合った男性(のちに女性に性別変更)から精子提供を受けた。その後に男性と不倫して破局し、原告は相手女性に約310万円の賠償を求めた。
一審・宇都宮地裁真岡支部は「自らの意思で婚姻届を出していない異性の事実婚と比べ、結婚できない同性カップルの法的保護を否定する理由を見いだしがたい」と指摘。二審・東京高裁は2人が約7年同居し、日本でも披露宴を開いて法律婚と同様の関係を築こうとしていた点などから「婚姻に準ずる関係」と認めた。いずれの判決も、相手女性に110万円の賠償を命じた。(阿部峻介)
「差別許されない」裁判官の問題意識にじむ
制度がないために結婚できない同性カップルの境遇に、どれだけ理解を示せるか。この訴訟の本質的な問いはそこにあった。
パートナーが不倫した場合、異…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル